新作


2024.7.19
P2404「ワイドストレートパンツ」

新刊「服地辞典」P.90に掲載の新作「ワイドストレートパンツ」発売です。新刊用に企画したパターンでしたが、説明書の作成に時間が掛かり発売が遅れてしまいました。これで新刊に掲載されたパターンは全て販売しています。

このパンツは、前にあるタックによってゆったりとしたストレートシルエットのマスキュリンな印象のワイドパンツです。タックによって腰周り、渡り、裾幅までゆとりがあってリラックス感のある雰囲気です。ウエストはストレートベルトで前あき、両脇チェンジポケットです。
パンツを選ぶ時の重要なポイントの1つにウエストの仕様があります。ウエストの仕様によってパンツのシルエットが変わってくる為です。
どうしてかと言うと、ウエストが固定される度合いでパンツ部分をどれだけ支えるか、それでウエストから下のラインの出方が変わってくるからです。ストレートベルトだとウエストが固定されてパンツが支えられるので形が崩れにくいです。華奢な見返し始末などよりもかっちりとして見えると思います。
同じワイドパンツと言っても様々なウエスト仕様があり、それを知っていると自分に似合うものを見つけやすくなります。

股上は浅過ぎず深過ぎない適度なバランスになっています。パンツの股下、脇のラインが身体から適度に離れるように角度の修正を繰り返し、履いた時に脚のラインがきれいに見えるようにしました。
ただしウエストがストレートベルト仕様の為、カーブベルトや見返し始末などのパンツよりもウエストのゆとり分が少しだけ少なくなりますので、少しでもバランス的にウエストが大きめの方でも履けるように、ヌードウエスト寸法が大きめの方へ3サイズだけシフトして、1~15号のサイズ展開としました。中心である標準サイズ5号は変わりません。ご不明な方はサイズをご相談下さい。

素材選びのポイントはタックです。
厚手のデニムなどはタックに厚みが出て、硬くごわっとしてしまい、ドレープがすっと縦に出にくいように思います。それでもデニムで作りたい場合は、薄手のソフトデニムなどを選ぶと良いでしょう。
このようにタックとシルエットのイメージから厚みなどを考えるのも良いでしょう。

オフホワイトの素材は、ギャバの2wayストレッチです。ポリエステル、レーヨン、ポリウレタン混で滑らかな感触で透け感はないです。
中厚くらいの厚みですが、織りの密度が高く、少しゴムのような弾力とタテヨコに伸びる2wayストレッチ感があります。
適度な重みと落ち感があるのでタックも縦にすっときれいに折れてシルエットも広がり過ぎず、身体に沿った柔らかいシルエットになりました。ストレッチ性や厚みなど、主にパンツ用に開発された素材なのではと思いました。

杢グレーの素材は、サージでウール、ポリエステル混です。濃い色と淡い色が混じった杢調が、ウールの素材感を出しています。
中厚くらいでパリッとしたハリのある少し硬めの素材なので、シルエットもしっかり出ました。ハリのある素材でタックが心配でしたが、縦にすっとした仕上がりになりました。ハリのある素材は身体のラインを拾わずに形もキープしてくれるので存在感のある一着になりました。

ダークネイビーは、リネンの平織りで中厚くらいの厚みでしっかりとした糸の感触がします。強めのハリとシャリ感があり、暑い季節にもさらりとした肌触りです。
色が濃くて透けないので裏地無しの仕様でラフな雰囲気に仕上げました。
リネンのシワ感が、カッチリとし過ぎず、なおかつTシャツなどのカジュアルなトップスと合わせてもきれい目に見えるのが良い所です。
黒に近いダークネイビーは蛍光色などの明るい色と合わせたコーディネートも映えると思いました。

白は綿のチノクロスです。丈夫で耐久性が高いものが多く作業着にも使われる素材です。双糸を使ったものは厚手で粗く、硬い仕上がりに。単糸を使ったものは薄手でしなやかな仕上がりになるので、タックのあるデザインの場合は単糸の方が合いそうです。光沢感もあり上品に見えるのも単糸の特徴です。
中厚程度の厚みで硬くハリ感があるので、身体のラインが出にくくシルエットがしっかりと出せる仕上がりになりました。
カジュアル感がある素材ですが白だと上品な雰囲気にも見えるので、色も重要だと思います。

詳細は「catalog」のページの「pants」のページをご覧下さい。