服に関する話


2019.10.17
楽しめ!ミニデザイナー

自分で素材を選び、パターンと組み合わせ、微調整する。これは服飾デザイナーの仕事です。
皆さんは仕事としてファッションに携わってはいないけれど、自分のブランドを持ちファッションデザイナーをしているんです。

買えば何でもある時代にわざわざ作る。人から見れば何で?と思われるかもしれません。
生地など服飾素材も素人が手に入れられるものは限られています。でも、自分で考えて自分のものを作り上げることは何ごとにも変えがたい幸せです。自分の為だけに作り上げることは自分だけのブランドです。用意されたパックツアーではなく、自由に選び自分の感覚で旅するオリジナルツアーに似ています。

プロのデザイナーは決して楽しいことばかりではないのですが、皆さんはデザイナーとして大いに楽しんで作りましょう。

2019.10.11
おしゃれは生き方の反映

おしゃれが難しいのは、それはその人の生き方と連動しているからです。どうしてもその人の生き方、人生の選択の仕方が現れてしまうからです。
おしゃれな人をひと言で言うなら「ふわっと」軽やかに生きています。(そのように見えます)
そして色々なことにこだわりが無いというか、いや、あるけれど柔軟な人です。1つ1つはこだわりがあるけれど柔軟にふわっと決断が出来る人だと思うのです。

最近はむしろこだわりが強すぎて凝り固まった生き方、服装の人が増えている気がします。ネットの影響もあり一方方向に向きやすい。特に日本人は一方向に向きやすい、こだわりが強い傾向があると思います。自分以外を排除しがちな集団集約性があります。おしゃれに限らないことですが。

日本にはどうも「こうあるべき」という圧力が強い、そう思いこんでいる人が多いように思います。おしゃれにもそれが表れます。頑張っているんだけど何かが邪魔をしていて上手くいっていない。そうなってしまう。こういう風になりたいという型にこだわりすぎて、自分らしくよりも型にこだわりすぎるような。

そう考えるとやはりある種の余裕というかゆとりが大事だと思います。ぎりぎりで無理をするのではなく、余裕を持ってぎりぎりを狙わないというか。
ちょっと抽象的で難しい話になってしまいましたが、服だけでなく生き方も反映される、ふわっと軽やかにゆとりを持った生き方はおしゃれに見えますという事です。

2019.9.20
パンツを制する者がおしゃれを制す

最近、メールにてお客様に「パンツ」に関してご説明する事が続きました。
一般的にパンツはトップスに比べて軽んじられている気がしますが、私は個人的に、おしゃれかそうでないかを決める最も重要なアイテムだと思っています。

パンツは構造的に他のアイテムと違って、股ぐり、尻ぐりがあり、座っても立っても服に負荷が掛かり、ヒザも擦れやすく消耗度の高いアイテムです。気に入ったパターンがあれば、何着でも作り甲斐のあるアイテムでもあります。
でも販売されているパターンの中でパンツのパターンはそれほど多くないです。技術力に差が出るパターンでもあります。人間の運動力学などパタンナーの考えが総合的に反映されるアイテムです。

パンツは基本ヒップではきます。でもウエストとヒップのバランスは人によって結構違いますし、加齢とともにウエストが大きくなる方も多いので、ヒップに合わせるとウエストが入らない事も多いです。
ですのでMパターン研究所としては、お客さまの体型によりパンツだけはこちらから「パターン修正」をお薦めする場合があります。有料ですのでパンツというアイテムのみ特にと思われる方のみお薦めしています。プロの目から見てパンツというアイテムの重要性、難しさを理解した上で、修正して美しくはければ既製服以上の完成度、満足度が得られると思っての事です。美しくはけるバランスで修正してくれるパターン屋さんはきっと少ないと思います。

Mパターン研究所を始めた頃より女性のパンツのコーディネート率はどんどん上がって、今は66%はパンツスタイルだそうです。おしゃれな人の条件はパンツの着こなしが美しい人です。おしゃれでない人はパンツの着こなしがぼんやりした人です。どのアイテムよりも差が出ると思います。
20年前くらいにローライズが流行って立体裁断が注目され、デニムなどパンツスタイルが一気に加速しました。ストレート、スリム、ブーツカット、ワイド、ガウチョ、ジョッパーズ、サルエル、スカンツ、テーパード、ハイウエストなど色々なシルエットのものが登場し定着してきました。

リーバイス501などのストレートデニムを少し大きいサイズで、あるいはメンズのパンツをワークっぽくはくスタイル。
スリムを大きめのトップスとコーディネートするビッグ&リーンスタイル。
小さめのトップスとゆったりとしたワイドなパンツを合わせるスタイル。
など、パンツは着こなす意志が必要で、どういう風に見せたいかはパンツが軸になります。トップスとパンツのバランスを決めてカジュアルにするかドレスっぽくするか、決めるか外すか考えます。そして合わせる小物や服飾雑貨を考えます。

それこそが「おしゃれ」と言えるのではないかと思います。

2019.8.26
オープンカラーシャツの特徴

お伝えしておりますように今週末の8/31(土)から9/10(火)までお休みを頂きます。
お休み前に発送ご希望のお客さまはどうぞよろしくお願い致します。

新作B1906オープンカラーシャツで秋色のブラウスを作ってみました。

小豆色の素材は綿100%のカットドビーボイルです。
透け感があり、少しのハリがあります。

catalogページのサンプルでラベンダー色もこの秋冬の流行色なんですが、もっと秋っぽい色で作ってみたくなり作りました。作ってみて、色々とコーディネートを試していると、オープンカラーの衿はフラットな形なので、カーディガンやニットを上から羽織ったりしても衿元が収まりやすく、重ね着にも向いていると思いました。

もうひとつ気が付いたことは、フラットカラーのデザインですと台衿のシャツカラーよりも柄物や光沢のある個性の強い素材も意外にしっくりと合う事です。

秋冬のいつものコーディネートの挿し色として、1着作ってみると楽しいですよ。

2019.8.16
流行はパターンが作っている

捨てられずに取っておいた服を、ようやく着る気になって着てみたけれど、やっぱりどこか合わない。デザイン的には今に合っているし、色も流行色。ようやく出番が来たと思ったのに。
そんな経験皆さんもあるかと思います。何でだと思いますか?

それはその服のパターンが、時代に、その時の雰囲気に合っていないからです。デザインは確かに何年か周期で繰り返されたりします。例えば今年若者の間で流行ったオフショルダーは約12年くらい前に流行りました。Mパターン研究所でもパターンを販売していました。でもデザインは似ていても、パターンは微妙に違っています。

そう、流行を左右しているのは、デザインでも素材でも色でもなくてパターンなんです。賢明なMパターン研究所のお客様なら気付いていらっしゃったかと思います(笑)。

偉そうに言いましたが、かく言う私も学生時代は、欲しいデザインであったり素材であったり色だったりしたら、迷わず買ってしまって自分に合わずに後悔を繰り返した経験もあります。パターンの重要性に気付かなかったのです。

改めて言うまでもないですが、比較的デザインが似ている洋服でもパターンが違えば着ると印象がかなり違います。パターンはどれも一緒ではないのです。
今後あらゆる分野でAIが出来る領域はどんどん広がっていくでしょう。量産の分野では、洋服もパターンもAIが制作出来るかも知れません。でも、人間の行動力学的な要素も含んだパターンは、どう考えて作るのか、どう見せるのか、その人の技術と感覚が大きいとも言えます。そしてそう言ったフィロソフィーを持ち合わせているいる人だけがパターンナーとして残っていくのかもしれません。

2019.4.11
既製服は体型をカバーするもの

ずっと言ってきた事ですが、既製服は体型に合わせるものではなく、体型をカバーするものなのです。全ての既製服は、うつくしく着れるようにとパターンメイキングされたものである事をまず理解して下さい。

あっ、欲しいデザインの服だ!と買ってしまわないで下さい。デザインは希望のものでも、その洋服のパターンがあなたをうつくしく見せることが出来るかは分からないのです。パタンナーの技術が、あなたをうつくしく見せる事が出来るか、よく確認しないと分からないのです。同じようなデザインの洋服でも、技術力のあるパターンナーの作った洋服は多くの人をうつくしく見せてくれます。

オーダーメイドはその人だけのために、その人に体型に合わせてうつくしく作ります。既製服は出来るだけ多くの人の体型をイメージしてうくつしく着ることが出来るように、と作り始める事だけは一緒ですが、どのように考えてうつくしく見せるのかは作る人によって考え方が全く違います。そして技術力が違います。

既製服を体型に無理に合わせてしまうと、その服のバランスを崩してしまい、うつくしく着こなすことは出来なくなります。自分の体型をカバーしてくれて、うつくしく着こなせる服なのか、自分にとって信頼できるシルエットなのかパターンなのか、試着などで良く理解し確認した上で購入することが必要です。顔の見えない生産者を知り、理解し、信頼する。

既製服は、作った人が考えたイメージと、着る人の体型と感性が合致したとき、初めてうつくしく見えるものなのです。

2018.12.14
J1813ダッフルコートの着まわし

年末は26日(水)まで。年始は1月7日(月)からとさせて頂きます。年内の新作の発表はありません。

身長157cm、体重48kg。腕周りは92cm、BL83cm、WL②で70cm、HL90cmの私がダッフルコート5号を着用した画像です。
インナーにはヒートテックと厚手のドロップショルダーニット、ボトムスはS1812フロント5プリーツスカートを合わせています。ボリュームあるニットで厚みが出ていますが、着ていてもBL、腕周りなどもきつくないです。
モデルさんが着ると細いシルエットに見えるかと思いますので、冬のコーディネートの画像も参考になればと思いました。
シルエットと着心地にこだわりましたので、長く着れる1着となったかと思います。

2018.12.10
S1812フロント5プリーツスカートの着まわし

新作のS1812フロント5プリーツスカートを私がはいたところです。
身長157cm、体重48kg。腕周りは92cm、BL83cm、WL②で70cm、HL90cm。
当研究所のサイズですとだいたい5号に該当し、こちらのスカートも5号を履いています。

前だけに太めのプリーツがあるスカートなので、シルエットは少しAラインでタテ長に見えるのが特徴です。発売前から普段着用してきて、身体の動きやインナーの厚みにも、プリーツのヒダがゆとりになり、きれいに縦ラインになってくれるので、すっきりと見えると思いましたが、どうでしょうか。
トップスにかなり厚めのローゲージニットを着ていますが、スカートのラインがしっかりとしていて重くならない着こなしが出来ていると思います。

プリーツもプレスがきかない素材の場合がどうかな?と思われるかもしれませんが、しっかりプリーツでなくタックのようにも仕上げられます。
太めなので柔らかいプリーツも素敵だと思います。

2018.11.19
O1811フレアーシャツドレスの着まわし

新作のO1811フレアーシャツドレスの着まわしについてです。ちょっとフレアーの分量が多いと思われているお客様もいるのではないかと感じ、私自身はとても気にって着まわしているのでご紹介したく思いました。
私自身も、以前はフレアータイプでウエストがゆったりしたデザインはあまり似合わず、着こなせていませんでした。しかしこのシャツドレスを試作中に裾広がりのシルエットを1枚で着てみると、すっきりとして裾のドレープが女性らしさをプラスしてくれているので年齢を重ねてきた自分でも着こなしやすいと思いました。裾のドレープは脇に広がらず、前後にも出るようになっている事も、すっきりと見える理由だと思います。
年齢が上がってくると、こうしたドレープなどの女性らしいシルエットや甘さも上手く、適度に活かしていくのが結構重要だなと最近思っています。

インナーに長袖カットソーを合わせても、袖口にゆとりがあるので、もたつかずにロールアップで調整しやすいですよ。袖口をロールアップすると手首付近がほっそりと見えるので華奢な印象になります。
アレンジで袖口に平ゴムなどを通すのも可愛らしくてそれもあり!ですね。
足元は艶のあるエナメルのダンスシューズとレギンスで合わせてみました。レギンスも形や色の種類があるので色々と合わせてみると楽しいです。

もう1つはとても簡単なタイツとショートブーツの組み合わせです。
これにニットやフリースまたはパーカーなどを合わせても、今らしい着こなしになりそうです

2018.9.21
着こなし以前に

8/20にて販売を終了しましたパターンの発送は本日全て終了致しました。まだ発送の連絡が着ていないお客様がいらっしゃいましたら、お手数ですがご連絡頂けますようよろしくお願い致します。

ここ10数年、麻ブームやナチュラルファッションの流れから始まり、洋服はずいぶん進化してきたと思います。全体にゆったりとしたゆとりのある服が増え、ゆとりのある服をベースにした着こなしが主流となってきました。Mパターン研究所を始めた20年前当時は、今よりもっと洋服はタイトでシャープに着るスタイルが主流でした。ミリタリーファッション、ワークファッションが定着し、メンズライクなきりっとした着こなしがおしゃれスタイルでした。
(厳密にはそうでないけれど)ざっくり言うと、アパレルにとっては技術力の見せ所、こだわりの必要性が減って、「着こなし」でかなりカバー出来る時代になりました。その意味では、ファッション誌がずっと提案してきた「着こなし」は間違っていません。ただし、服を着「こなす」事はセンスが必要です。服を着「こなす」事は、程度の差はあれ、ある程度センスがある事が前提になっています。乱暴な言い方ですが、センスのない人にとっては、何故そうするのか最初から分からないと思います。

私たちが今までずっと言い続けてきて、「買わないおしゃれ」という本まで出して言ってきた事です。服を「着こなす」事は大事ですがその前に、自分の体型を知る、洋服の構造を理解する事も重要です。おしゃれのポイントは、①自分の体型を知ること(身体を「こなす」こと)②洋服の構造を知ること③洋服を着こなすこと(こなせるセンスを持つこと)④最後は「えいやぁ!」だと思います。服を着こなす前に、服を知る、自分を知る方が先だと思います。そしてそのことはあまりファッション誌にも出ていないことなのです。
①はぼんやりとではなく正確に採寸する事が重要です。①~③のポイントは、とにかく常にコーディネートして鏡の前に立って自分を見ることです。たくさん洋服を持つ必要はなく、持っている服の組合わせをどんどん変えて可能な限りの可能性を引き出すことが大事です。そうすれば、こうすると良く見えないけれどこうするとイケる、という微妙な感覚がつかめてきます。ちょっと気に入らないとすぐに捨てていてはセンスは身に付きません。買った服の良さ、自分の良さをとにかく追求していくことです。
おしゃれというのは広い意味でコスプレです。描いたイメージに自分自身が成り切るのです。インパクトの強い「トレンチコート」など特にコスプレです。トレンチコートのインパクトに負けないよう自分を演出するのです。そうでないとぼんやりしたOLさん風になってしまいます。外に着て行く前に家の鏡で入念なチェックが必要です。手持ちのアイテムをフル稼働して最大限の良さを引き出します。そして最後は「えいやぁ!」と気合です。
「気合い」というのは「姿勢」も含みます。どうだ、と言わんばかりの(もちろん言わなくて良いのですが)ポジティブさというか、潔さというか、颯爽(さっそう)感です。家の鏡でじゅうぶんに練習した成果を本番で出す感じです。最後は自信を持って背筋を伸ばして堂々と。

2018.9.19
洋服と姿勢

新作のP1808ウエストシャーリングテーパードパンツにたくさんのご注文、お問い合わせありがとうございます。こちらはヒップに比べてウエストがバランス的にかなり大きめの方でも美しくはけます。今までパンツにお悩みの方も是非作ってみてください。よろしくお願いします。

洋服に関する体型的なお悩み、ご相談をたくさん頂きます。確かに洋服が似合いやすい体型、難しい体型というのはあります。例外はありますが一般的に言ってなで肩、ある程度の肩傾斜のある肩、厚みのある(丸みのある)身体は似合いやすいと思います。もちろん身長がある(タテに長い)方も。対して、いかり肩、肩傾斜の無い肩、厚みの無い薄い(横に広い)扁平な身体は難しいかと思います。
洋服自体も、確かにそれぞれの体型に合う合わない洋服も存在します。自分の体型を理解していて、服を見てそれが合うか合わないか分かる人はおしゃれな人だと思います。合わないけれど服を着「こなし」てしまうセンスのある方もいらっしゃいます。こちらは上級者ですね。
体型ばかりは生まれ持ってのものですから致し方ないのですが、姿勢は大事です。これは意識で変えられます。良い姿勢、美しい姿勢で服は違って見えます。美しく見えます。服を「こなし」ているように見えます。美人ですらっとしていて良い服を着ているのにおしゃれに見えない残念な人って多いと思います。
体型の悩み、服の難しさはとても良く分かります。でも服に全てを期待しても限界はあります。身体に全て合ったオーダーメイドは体型の欠点を暴露してしまうかもしれませんし、着た人が美しく見えるようにシルエットを表現した服は少し窮屈かもしれません。体型の悩みがある、服が窮屈とおっしゃる方を見ると、猫背の方が多いです。姿勢が悪いと服も良く見えないし、何よりさらに身体に合わなくなると思います。どの服も猫背を前提に服は作っていません。服は正しい姿勢を前提に作られています。

体型は無理でも姿勢だけは意識で変えられます。皆さんもどうか、服を活かすためにも姿勢には気をつけて頂きたいと思います。