ひとりごと


2018.11.21
続けてきて、見えてきたもの

「ひとりごと」のページを追加しました。日々過ごす中で感じたこと、思ったことをつづりたいと思います。どうしてもお伝えしたい情報ではなく、どちらかと言うと、どうでも良いことをつぶやきます。良かったらお付き合い下さい。

先日ある作家さんと話している時、自分たちはどうなのかと思った事があります。それは自分たちの中で特に何を伝えたいのか?という事です。立ち位置とでもいうのか。
私たちがMパターン研究所を始めた約20年前は、いわゆる「洋裁」的な世界は今よりもっと狭い世界だったと思います。手作りというと「作ったのね」と確かに分かるような少し貧乏くさいイメージに思えました。立体裁断や縫い代付きというものもなく、アパレル経験者からすると洋服ではなく「洋裁」という独自の世界を形成していた気がします。
ファッションの業界から来た人間としては、もう少しおしゃれな、心ときめく「洋服」の世界観というか、手作りと洋服(ファッション)がつながるようにしたい想いでMパターン研究所を始めました。そして20年経った今はずいぶん変って、おしゃれなものがかなり増えてきたと思います。手作り服のイメージもだいぶ変わりました。そんな中でも自分たちは何を伝えたいのか、やりたかったことは無くなったのか、と考えた時に、もともと自分たちが好きな部分、得意な部分が見えてきた気がします。

アパレル時代に周りを見渡した時、モードやデザイン性にこだわりを持ったクリエータータイプの人たちが確かにいました。彼らの中には本当に才能のある人もいて、羨ましいと思ったりもしましたが自分の目指すものとはちょっと違うなとも思っていました。モードやデザインを特に強調する服というよりも、人の身体性というか、バランスというか、着た時にどう見えるかとか、そうしたある意味「工業デザイン」のようなものに惹かれていた気がします。
作家の「アートよりも製図に惹かれた」という言葉がとてもストンときました。そうです、自分たちも服の構造に惹かれました。一目で皆を驚かす分かりやすいデザインよりも、形作られた「技術」に惹かれました。わかりにくく地味ですけど。

改めて、あらゆる分野でたくさんのものを選べる時代になりました。パターンもネットも含めてたくさん販売されていると思います。おしゃれなものも多くなりました。そんな中で自分たちは、アパレル時代から感じていた、人の身体性、バランス、構造を支える技術力に力点を置いて、肉体がまとった時の「服の機能性」とか「美的な工業デザイン」とでも言うのか、そういったものに全力を注いでいこうと思いました。