ひとりごと


2024.4.9
現実はいつも対話から生まれる

三鷹 雨

ラジオでとても興味深い本の紹介があった。ケネス・ガーケン、メアリー・ガーケン著の「現実はいつも対話から生まれる」という本だ。

ある学生が卒業単位が足りなくて留年する事になった。そしてその結果、抑うつ状態になってしまった。
この場合、留年した事が、うつ状態という結果を招いたように見える。しかし、これは違うというのだ。
それは、「4年で卒業するのが普通」とか「親に申し訳ない」とか「恥ずかしい」などの、その人自身の「こうあるべき」という価値観が、心を病ませてしまっている、というのだ。
悩み(結果)を産み出しているのは、出来事(事実)や人に言われた事ではなく、その人の持つ価値観である、と。

価値観が違えば、同じ出来事(事実)でも結果は違う、という。他にも留年した学生はいたらしいのだが、その人以外は「仕方がない」「来年は頑張ろう」と悩んだりした人はいなかったらしい。
なるほど、確かに。
出来事(事実)は変える事は出来ないが、価値観は変える事が出来る。価値観を変えるには考えるしかない。悩んだ場合は、自分の価値観を疑い、考え確認してみる必要がある、と。

これが「事実に向き合えない」「自分の負の部分に向き合えない」ことなのだろうと思った。