新作


2024.3.15
J2400「クルーネックショートジャケット」

書籍の仕事がたて込み新作の発表が少し遅れてしまいました。新作は週末に発表してきましたが、今回は週中での発表となりました。
普段使いから結婚式や入学式などの特別な行事のきちんとしたシーンまで、幅広いシーンで使いやすいジャケットです。
クルーネックのストレートシルエットで、シュート丈らしい出来るだけシンプルな形を目指しました。
ノーカラーコートのアレンジのショート丈ジャケットタイプより、きちんと感を意識したジャケット専用のパターンです。

肩幅は広過ぎず狭すぎないように、あくまでも個人的な感覚ですが、出来るだけさり気ない印象になる身幅と形になるように意識しました。
身幅と袖ぐりには適度なゆとりがあるので、選ぶ素材によっては寒い季節のジャケットとしても重ね着しやすく、薄手の素材で作ってもゆとりがあり過ぎる事がないように適度に身体に沿うようなシルエットになるよう心掛けました。
仕上げの最後に気を付けたのは、スカートやパンツはもちろん、ワンピースにも合うように、試着をしながら丈と身幅のバランスを決めました。
フォーマルを意識しましたが、シンプルなデザインだけに選ぶ素材でがらっと印象が変わるのが楽しいデザインになっています。

白と黒の糸が存在感のある素材はループツイードです。
よく見ると表面の糸がくるっとカールしていてそれがループなのでしょう。表面に凹凸があるのが特徴です。ウール90%ナイロン10%で厚地ですが、太い糸でざっくりとした織りで密度が低い分、多少ほつれやすさもあるかと思います。
縫い方は通常の伸び止めテープと芯地の仕様で問題ありませんでしたが、ざっくりした織りの為に、前端にテープを貼ると0.7cm近く縮みました。縮んだ原因は素材がざっくりしているので伸び止めテープがより縮みやすかったようです。(ただし、織りに関係なく縮み易かったようです)
縫い代を減らし、パターン通りの長さで仕上げました。
縫いやすさで言うと、意外ですがとても縫いやすかったです。
フラップとポケットのステッチも布の素材感で目立たず、多少幅がブレてしまっても、馴染んで仕立て栄えしてくれるのでステッチに自信のない方にもお薦めです。フラップポケットが付いていると服の存在感が強くなる気がしました。

コーディネートしている明るいグリーンのスカートは「S2105ナロースカート」です。このジャケットと合わせる為と、書籍の為に新たに制作しました。
こちらはポリエステル70%ウール30%のベネシャンです。
織りがサテンのような重ね朱子織りで、光沢のある滑らかな手触りが特徴です。高密度でやや厚みがあり、反発感(布に力を加えると元に戻ろうとする力)が強く、しなやかでシワになりにくいです。
素材の反発感が強いので、身体のラインを拾わずシルエットはパターン通りの円柱形に仕上がりました。光沢があるのでカジュアルからフォーマルまで選べる素材だと思います。明るい色で光沢があると華やかさが増してコーディネートが楽しくなりそうです。

黒の素材はウール100%ですが、名前がカシミア織りという不思議な素材です。表面に光沢があって上品な感じがしました。
なぜカシミアが入っていないのにカシミア織りという名前なのか?調べてみると「カシミアをウールで模したもの」らしいです。
フォーマルな服やスーツなどに使われるそうです。
綾織りで中~中厚地位の厚み。手触りが滑らかで適度なハリとしなやかさもあります。
厚過ぎないのでシルエットは大きくならず、適度に身体に沿うすっきりとしたジャケットに仕上がりました。
前あきはスナップなど無しで仕上げ、シンプルな印象が強調されるようにしました。こうすると仕様も簡単です。
コーディネートしている黒のパンツは(すいません)参考商品です。

詳細は「catalog」のページの「jacket」のページをご覧下さい。