たま~に映画 音楽情報
2025.3.29
ナミビアの砂漠

ブルーリボン主演女優賞、キネマ旬報主演女優賞、日本アカデミー賞主演女優賞など、昨年の日本映画の主演女優賞を総ナメにした河合優実主演作。アマゾンプライムで視聴。
先に感想だけ言うと、すごく良い作品である。
どうでもよい事なのだが、この作品自体はブルーリボン賞、日本アカデミー賞にノミネートされていない。
キネマ旬報ではその年のベストテンが発表されているが、この作品は2位、前回紹介した「cloudクラウド」は4位に入っているが、どちらも読者ベストテンの10位にも入っていない。つくづく、自分の評価は一般と解離していると実感。
公式サイトによる「いじわるで嘘つきで暴力的で世の中がつまらない」主人公カナ。なかなか、彼女に共感する人は少ないだろう。確かに前半は彼女の行動にかなり面食らった。こうした無軌道で純粋で刹那的な若者、特に女性を描いた日本映画はほとんどないと思った。でも見続けるうちにカラックスの映画でに出てくる主人公たちのようで、とてもフランス映画っぽいなと思った。この映画は感覚的な映画なのだ。日本にもこんな映画が出てきたことを私は歓迎する。
彼女のような人は恐らく日本では受け入れがたい人だろう。彼女は精神性を疑うが、人一倍自由を望む、いたって正常な人なのである。堕胎に関わる男女の認識の違いに納得がいかないのである。
社会がおかしいのか、彼女がおかしいのか。改めて考えるきっかけにもなる映画だろう。
とにかく河合優実がすごい事だけは分かる。